初めてのバンク
関西CSC(サイクルスポーツセンター)、「ナイター大会」
の1000MTTと20kmスクラッチに参加してきた。
バンクの中心部には、「変わり種自転車に乗ろう」コーナーがあって
子供を連れた人やカップルなどが、のんびりと幸せそうにしている。
その周りを、「うお~、ゼイゼイ、ハアハア」と男達が苦しそうに
もがいていてその対比が面白かった。

私がお世話になっているクラブからは、6人が参加した。
一人をのぞいて、みなロードバイクでの1000MTTと20kmスクラッチ
に出場した。練習走行の時間が終わり、簡単に開会式が行われ
(選手宣誓もあった)1000MTTの時間になった。
「ギャンブルレーサー」という競輪を舞台にしたマンガが大好きなので
その中で何度も出てくる競輪学校の入学試験科目であるこの1000MTT
というのは以前からすごくやってみたかった。
競輪学校に入るには、1分11秒台くらいのタイムが必要だ、ということだ。
クラブの人が次々とスタートしていく。
この種目の時は心拍計は付けていなかったのだけど
きっとスタート時で120を超えていたと思う、すごく緊張していた。
いよいよ私の出番、自分の頬を叩いて気合いを入れる。
しかしスタートするなりクリートが外れた、あせって付けなおすも
(かなりロスしたな、短い距離なのに。あーあ、終わったなあ。)
という気分になってしまった。
(でも、せっかくだから最後まで頑張ろう。)
と思い直して、ゴールまで一生懸命踏んだ、1分22秒というタイムだった。
「数秒は違うよ、もう一回計り直したら?」と役員の方が言って
くれたけど、心肺がいっぱいいっぱいだったので、諦めた。
同じクラブのNさんが、1分14秒台のタイムを出して優勝した。
ロードからピストバイクに乗り換えればさらに数秒タイムが
短縮されるらしい、そうなってくると国体の成年の部に出場できる
くらいになってくる。(ここ数年の大阪代表選手のタイムは1分12秒前後)
役員の方が彼のところにやってきて
「ピストをぜひ本格的にやってみてください。」
って言われていた、いいことだ。
私もクリートで3秒は違うと思うし、機材(ディスクホイールを使ってみたい)
そして努力をしてけば1分15秒台くらいは出せるのではないかと思う。
よし、オレも国体を目指そうかな(笑)
クラブの代表のYさんはピストでの4000メートルに出場。
ゴールスプリントに持ち込みあっさり優勝してしまった。
元オリンピック代表選手、という肩書きからすれば当然のようにも
思えるかもしれないけど、48歳にして若者相手に優勝するって
ことはやっぱりものすごいことだと思う。
Yさんが走っている時の場内アナウンスでは
「彼は何度も国体にも出場して、日本記録も持ち、速度の神様
とも呼ばれていました。」
なんて言われていた。

1000MTTの疲れもあって、皆で集まってぼーっとしていたら
Yがピストを一台担いでやってきた。
トラック好きなNSのために、知り合いに声をかけて譲って
もらってきたとのことだった。
「これ、○円でどう?」のYの声に「買った!」と即答するNS。
「じゃあこれをチーム自転車にしよう。」という呼びかけには
「それもいいね。」と笑顔のNSだったが、私が
「では絵心の無い私がチームカラーにペイントしましょう。」
って真顔で言った時はちょっとだけ困った顔をしていた。
このイベントにロードバイクで参加している人はロードバイク愛好家
には違いないのだけど、普段の大会とはちょっと雰囲気が違った。
どちらかというと「部活」的な人達なのだ。体もごつい人が多い。
そしてピスト部門で参加していた大学の自転車部の子達は
すごく「体育会的」だった。
20kmスクラッチが始まる。
これは単純に20km、400Mバンクなので50周走るというものだ。

基本的にずっと40km/hを超える速度が続き、その中でアタックもかかる。
そうとうつらいけど、限界ぎりぎりで頑張るのはやっぱり楽しい。
クラブの人達が前でレースを展開していくので、私もその後ろ
くらいにつける、先頭に出て勝負していくのはちょっと厳しそうだ、足が持たない。
しかし先頭交代が回ってきた時には頑張って先頭をひいた。
15周くらい走ったところで、さすがに疲れてきて。(後ろに下がろうかな)
と思いはじめている時に、Yがバンクの内側に入ってきていて
「Nの後ろについていけ~!」と絶叫している。
次の周も、その次の周も「行けるぞ、諦めるな付いていけ~!」
と叫んでいる。
これは頑張らないわけにはいかない。
188センチあるNの後ろにつくと、風の抵抗をほとんど感じなくなる。
そのまま10周くらい走る、かなり回復することができた。
Nがちょっと下がったので、再び先頭集団の中に加わって
ローテーションしながら走る。
先頭をひいて、しばらく走って、(やっと先頭が終わった。)と思うと
それまでその集団には加わっていなかった(足をためていた)人が
アタックをかけて前に出て行く、これの繰り返し、やはりしんどい。
ラスト10周を切ってからは、最後まで体力が持つことに確信を持てた。
今回は追走で流れ込みでは無く、なんとか仕掛けてみたい。
とりあえずは先頭集団についていく。
残り2周になって、NSが飛び出していって先頭を走る。
なんとかついていくが少し差は開いた。残り一周、今度はNが飛び出す。
あっという間に先頭に追いつき、そのまま前に出る。
私も残り半周で精一杯もがいて、前に出る。
ある程度の数を抜いてゴールに飛び込んだ。
最後の直線は、「オラー!」って叫びながら走り込んだ。
レースでは、先頭争い以外は、そんなに激しいゴールスプリントを
しないことが多いのだけど、でもそんなのはおかまい無しに
ちょっとでも着順をあげようともがいた。
プロでも実業団でも無い、単なる「ホビーレーサー」
という肩書きからすると、レースなどに参加していても
(まあこれくらいでいいんじゃないのかな。)と思うようになってしまう。
皆、真剣ではあるが、13位が12位になるために必死になってもがく
ってことはあまりしない(優勝者のみに価値がある、というロードレースの
価値観ってものも影響しているのだろうと思うが。)
私も少なからずそんな風に考えるようになっていたのだけど
この日はそうではなく、(少しでも前に、一人でも抜きたい。)
という気持ちが最後まで持続していた。
そしてそんな気持ちになるのってイヤではない。
ちょっとおおげさだけど「人間の本能が目覚めてくる。」
そんな気になる。
アメフトのディフェンスで敵を追いかけていく時、そしてタックルして
相手を倒した時にわきあがってくる、「吠えたくなる感覚」
それに近いものがあった(実際、よく吠えてるが(^^;)
着順はまだわからないのだけど、私がアメフトをこの年(35歳)まで
続ける原動力とも言える「感覚」を自転車で味わうことができた
ということだけで十分だった。
すべての種目が終わって、簡単な閉会式があった。
このイベントを主催した大阪府自転車連盟の人達はやはり
大変な苦労があったことだろうと思います、ありがとうございました。
今日も楽しい自転車デーだった。






















