淡路島
淡路島を走ってきた。
琵琶湖一周と淡路島一周は関西の自転車愛好家には
ポピュラーなコースだ、私は昨年秋に琵琶湖を、そして
今日、淡路島をそれぞれ初めて走った。
シルベストのツーリングに参加したのだけど、実質的には
草アメフトの友達、ジュンジ(170cm/100kg)と2人で走っていた。
まったくの初心者であり太っている彼と他の人達とでは
速度も違うし、走るコースも違う(私達は海岸沿いのアップダウンの
きついところはパスした。)120km弱くらいの距離を、休憩、昼食込みで
7時間半くらいかけてのんびりと走った。
彼と他のアメフト友達とで鈴鹿の8時間耐久レースを二度走った。
一昨年はチーム、昨年はそれぞれソロで出場したのだけど
彼の走行距離は60kmちょっとで、8時間ソロ部門の中で下から3番目だった。
レースが終わった時に、彼のメーターを見てみたら3時間しか走って
いなかった。ソロ部門のピットの目の前の芝生で昼寝したり、売店を
見て回り、ご飯を食べて、おまけに自転車雑誌の取材まで受けていた。
(アメフトの防具を付けて走っていたので、そこそこは目立っていた。)
そしてその60kmという距離は彼がこれまでに走った最高距離でもある。
11月に自転車を買ってからのトータルも1000km以下だと思う。
そんな彼が120kmの距離を走る、というのはけっこう大変なことだ。
おまけに、今日は風も相当きつい真冬、走れなくなった彼をどこかの
喫茶店かコンビニに預けて、車で拾いに戻ってくる
なんて事態も想定していた。彼は決して「動けるデブ」などではない。
アメフトでも「最初の5プレイまでだけ」と言われている。
いつ完全に動きが止まってしまうかわからない上に、まるっきりの
初心者の彼と一緒に走るのは一苦労だ。脚を回しては止める
という癖が直らないので、速度にムラができて気がつけば 後方はるかに
消えてしまっていたりする。
のぼりになればものすごく遅いし、そのくせ下りではトバして
楽しそうに私を追い抜いていき、曲がりきれずにガードレールに
張り付きそうになったりする。
まめに休憩をとりながら、彼のそれまでの最高距離を越えて、100km
の大台も越えた。休憩がてらに震災記念館を外から少しながめながら
水分と栄養を補給してゴールを目指した。
他人と一緒に何かをしようとするときに、自分の技量が明らかに劣る時は
せめてポーズだけでも、上手くなろうとしている、という姿勢を見せることが
大事だと思う。(私が楽しいんだから相手だって楽しいはず。)っていう風には
思わないようにしてる。
それはスポーツでもゲームでも会話であっても、なんでもそうだと思う。
自分よりレベルが低い人と一緒に何かをしていて楽しいってことはほとんど無い。
指導者的な立場に自分を置けばまた違ってくるけど、その場合には相手側に
そのような姿勢が必要だ。
テニスのラリーは続かないし、あっという間にチェックメイトになり、会話も
かみ合わず無言になってしまう。だから私より速い人だけしか来ない
ツーリングには基本的にはいかないし(ちぎれた人の面倒なんてみないって
いう趣旨ならいいけど)、酒の席などで、まともに会話ができない人が
しゃべりかけてきたら酔っ払ったふりをして、その場から離れてしまう。
普通レベル以下の運動能力の女の子と公園でキャッチボールはしない。
距離5メートルでのキャッチボールはほほえましい光景ではあるが
やっていても面白くはない。
まあそんなだから女の子とデートしている時に
「え、フリスビー?オレはこれでもアルティメットをかじったこともあるんだから
フォアハンドでも投げられるくらいじゃないと一緒にやる気がしないよ。
だって楽しくないんだもん。」
なんて言ってしまって、フリスビーをあさっての方向に投げ捨てられて、そのまま
駅に帰られてしまうわけなのだけど・・
そんなひねた考え方の私なので、今日の淡路島もさして楽しくはない。
淡路島を初めて訪れたっていう意味はあったけど、心拍は全くあがらない
ので体は冷えていき、最後のほうはけっこうつらかった。
運動したっていうよりは耐寒訓練って感じだった。
でも、彼は自分から淡路島1周という距離を走りたい、と言い出し
明石海峡を越えてここまでやってきて、そして最後まで走った。
「もうダメです。」を連呼しすぎではあったけど、最高走行距離を大幅に
のばしたし、坂では最終的に立ちゴケするまでなんとか足をつかないで
のぼりきろうとがんばっていた。
最後に明石海峡大橋が見えた時には、うれしそうなに「橋や!」と声をあげて
私を抜いていった(思ったより距離があったのでまたずるずるとさがって
はきたが)、帰りの車中でも今日のコースを思い出しながらしゃべっている
彼を見ていると、安くない高速代を払って淡路島までやってきたけど
まあ楽しかったかなって思えた。
今日、消費したカロリーの2倍くらいの栄養分を牛丼その他で補給し終えた彼が
「運動の後は!」と言うので疲れた体でキャバクラにいった。
私達2人だけでは不安なので、鈴鹿の耐久にも一緒に出たアメフトの友達
(キャバクラの達人らしい。)を呼び出した。
スポーツの話になったところで自転車のすばらしさを説く私を
達人はトイレに連れ出し
「まったく、チャリの話で女が口説けると思ってるんですか。
もうちょっとがんばってくださいよー、はあー。」
とため息をつかれてしまった。
冷たい風を受けて乾燥している顔を洗って、鏡に向かい頬を両手で叩いた。
十三峠ではなく、ここ十三の街、つたないレベルのキャバクラ初心者ではあるが
彼にアシストしてもらえるように、全力で戦うべく気合を入れ直して
テーブルへと向かった、多分本日一番の心拍数を記録していただろう。
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