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May 04, 2006

Winner Takes It All

060504001

ロードレースを見ていると、優勝した選手以外はほとんど喜ばないことに
気がつく。200人以上の選手が出場してその中で2位、3位なんていうの
はすごいことだと思うのだけど、ましてやそれが春のクラシックと呼ばれる
レースだったり、ツールやジロの名だたる山岳ステージだったりすれば、
ものすごい名誉だとも思うのだけど、1位を逃した選手達はうつむいてい
たり、投げやりな表情でゴールラインを通過していく。優勝以外には価値
が無いっていうのが自転車競技(レース系種目すべて、あるいは欧米)
の考え方なのだろう。

5/3日に舞洲で行われたクリテリウムを見ていても、カテゴリーが高い
レースにはそんな雰囲気があった。参加した全員が主役って感じのキッズ
レースの雰囲気も好きだけど、勝者にすべてをというのも悪いものでは
ない。この日のレースではエリートカテゴリーで藤岡君が三船プロに次い
での2位だった、まだ高校生であることを考えたらすごいことだなと思うの
だけど、満足してはいなさそうな彼の表情を見ていると、競技の特性って
ものもあるのだろうけど、どんどん大きく成長していく人っていうのは、自然に
そんな風に考えるようになるものかもしれないし、またそれくらいでないと競技
者として勝ち残っていけないのかもしれないと思った。

The winner takes it all .The loser standing small
Beside the victory.That's destiny

勝者にすべてを、ABBAが歌った世界的なこのヒット曲を含むミュージカル
マンマミーアを藤岡君が所属するクラブシルベストの母体であるシルベスト
サイクル梅田店のすぐ近くにある四季劇場で見てきた。ギリシャの島を舞台
にした結婚式直前の娘と母の物語、自転車とは全く関係無いし、「勝者」
っていうのも恋愛のことではあるけど、レースを見ているのと同じように楽しい
時間を過ごすことができた。出演者それぞれの歌も踊りもよかったのだけど
客演という形の前田美波里のスタイルの良さに圧倒された。唐十郎の「特権
的肉体論」っていうのがあったけど、ただそこにその人がいるだけでものすごい
存在感を持つような肉体、身体っていう意味で私はその言葉を使うのだけど
美波里さんはそんな感じだった、ただそこにいるだけで、日本人がターニャ
と呼ばれ、突然歌い出すといった非日常な設定がどうでもよいことのように
思えてしまう。

一連の春のクラシックでのボーネンを見ていて同じようなことを思った。
アタック、駆け引き、いろんな要素がレースにはあるけど、Young、gifted
tall and handsomeな彼が自転車の上にいるだけで、TV画面をつい見て
しまう。本来、唐十郎が言うところの特権的肉体とは、ある肉体の状態を
通してその人の存在、歴史が噴出する瞬間という意味らしいのだけど、
藤岡君が逃げた選手を追う姿はそんな感じだった。

舞台を見たりスポーツを見たりするのが好きだけど、私には無いそんな部分
を天分と努力によって身につけた人達は自分たちのために走ったり歌ったり
することにより、他人の人に何かを伝えたり、時には幸せにすることすらできる。
持たざる者がほとんどの中で他者と関わり合いながら幸せにやっていくには
どうしたらいいのかってことを考えたりしながらこうやって日記を書いたりしてる。
舞洲という非日常の場所から橋を越えて現実の場所へ、クイーンにもキングにも
なれないことはわかっているけど、You can dance, having the time of your life.
と歌いながら立ちこぎで此花大橋を超える。連休の中間地点、観戦と観劇で
楽しい1日を過ごすことができた。


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