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July 20, 2006

ラルプデュエズでarc en ciel

04alps011

2年前の夏、ラルプデュエズに行った。午後から始まる個人TT
の前に自分で実際に走ってみたのだけど、その頃は自転車に乗り
出してまだ間もなく、レースなんかにも参加するようになった
ころで(まだまだオレはこれから速くなるし、輝かしい自転車生活
の第一歩なのだから、ツール見に行くくらいどうってことないよ(^^;) 
なんて風に考えていたのだけど、それから2年がたってみて、なか
なか速くならないばかりか、2年前の夏よりも遅くなってしまってたり
生活の方も変化してきて(フランスに自転車持っていくなんてことが
この先あるんだろうか?)と思うようにもなってきた。

というわけで、昨日ツールの15ステージ、ラルプデュエズでの
頂上ゴールがあったので、またその時のことでも書きます。

これまで数回このネタを書いた時には、「フランス一人旅」風に
書いていたけど、実際には当時ミラノに住んでいた彼女に何から
何までアテンドしてもらっていた。彼女もミラノから自転車を持って
きて(TGVにも自転車置き場があった、さすが)グルノーブル駅から
バスに乗ってラルプデュエズの頂上に着いた。
ラルプデュエズの頂上にはたぶんもう10万人以上の人が集まって
きていて
、なんだかお祭りのようだった。

自転車を取り出し、組み立てる。着替え終わると、荷物をキャリアに
くくりつけたままラルプデュエズを下る。彼女は自転車にそんなに
慣れていないので、ゆっくり下る。
その横をものすごいスピードで
下っていく人達がいる。もうすでにコースの道路の路肩はキャンピン
グカーで埋め尽くされていて、車の前に置いたチェアーに座って、
お酒を飲んだりしながら明日の本番を皆楽しみにしているようだった。

途中で止まって、(さもここまで登ってきたようなふり)の写真を撮影
したりして、下までたどり着いた。下の街(なんとかドワソン)にも
同じくらい人があふれかえっていた。最初はまたバスに乗ってグルノー
ブルまで戻ろうと思っていたのだけど、お祭りで盛り上がる人達を見て
いるとなんだか戻るのがイヤになってきたので、ここに残ろうと思った。

が、当然のことなんだろうけど、宿はどこもいっぱいだった。何軒も回
ってもダメだった。だんだん日も沈んできて少し不安になったきてけど
「あそこでテント売ってるじゃん。」と彼女が言うので、そのテントを
買うことにした。スタート地点近くのキャンプ場にテントを持っていっ
たはいいけど、私も彼女もアウトドアとは無縁の人なので、テントが貼
れない。他人のテントを見ながら、なんとかテントらしい形に仕上がっ
た。

宿が確保できたので、お祭りを楽しもう。山岳賞ジャージのスポンサー
でその水玉がジャージの柄にもなっているスーパーマーケットに行った。
フランスに来たんだし、長~いフランスパンでも買いたいなと思ったの
だけど、たくさんの人が同じことを考えていたみたいで長いのは全部
売り切れていた。

しょうがないのでスタート台が置かれているあたりまで歩いていき、カ
フェみたいなところでビールとパンを買って食べる。夜になっても欧州
中の自転車愛好家達がどんどんやってきていて、完全にプロレーサーに
成りきったレプリカウエアの彼らに対して声援を送ったり、ブーイング
を飛ばしたりしていた
。とても盛り上がる祭りの中にいながらも、彼ら
が何をしゃべっているのか全くわからないっていうのは不思議な感覚だ
った
、韓国に行った以外は英語圏しか行ったことがなかった。
ときおり英語が聞こえてくるけど、そんな人達の多くは、USポスタル
(ディスカバリー)のジャージを着て、トレックに乗っていた。そして
欧州人からブーイングを受けたりして、そしてそれを笑顔で引き受け
ていた。)

5年振りにメールをやりとりするようになり、5日ほど前にミラノで再会
したばかりだった。それが気がつけば一緒にフランスにいて、言葉のわ
からない祭りの中に放りこまれている。そして小学生以来のテント泊と
いうおまけまでついてきている。

スーパーで薄い毛布を買ったのだけど、明け方には15度くらいになって
いてこういうことに不慣れな私は凍死するんじゃないかと真剣にあせっ
た。太陽ができったところで、アルプスから流れる万年雪から溶け出し
きれいな川のほとりで軽量化をすませて、出店で買ったラルプデュエ
ズジャージを着て、ラルプデュエズタイムアタックを開始することにし
た。彼女は登れないだろうから、そこらへんを散歩しているとのことだ
った。

スタート地点までいったん戻る。ストップウオッチのボタンを押して
走り出した。(あーあのパンターニが走り、シャカリキのテルが憧れた
ラルプデュエズをオレは今、走り出した..)なんてことは全く思わな
かった。そのころはパンターニも知らなかったし、シャカリキも読んで
なかった。(十三峠の3倍以上の距離かあ、最後まで足付かずに走れる
かな)くらいしか考えていなかった。最初の第一カーブ(誰の名前が付い
てるんだっけ?)を過ぎたくらいから、もう道路の両脇にはほぼ人が
いっぱいに座っていて、それはゴール付近までずっと続いた。みんな朝
からお酒でも飲んでいるのかとても陽気に盛り上がっていて、アジア人
らしき私を見つけると、「コニチハ」「ニイハオ」などいろんな声をか
けてくる。それがなんだかうれしくてより声をかけてもらおうとして
ヘルメットを外した。

10数kmほどのコースを、何千人っていう人が自転車で登っている。
乗鞍のヒルクライムってあんな感じなのだろうか。クロスバイクやMT
Bでのんびり走っている人も多く、「はい、右通ります!」なんて言って
も通じないので(右側通行だから、左か)、「エクスキューズミー」
なんて言いながら抜いていく。そしてレプリカ軍団の中のレーサー体型
の人達に抜かれていく。沿道の10万人以上の人達に最後まで声援して
もらいながら走った。あんな風に声援を受けながら山を登ることはもう無
いんだろうな、と今は思う。

のんびり登ったので(1時間10数分、ランスは38分)、ゴールに着いて
もそんなにしんどくはなかった。それよりもまだそこから上へと山が続
いていることにおどろいた。(そこから上がスキー場らしい)、日本の
自転車雑誌の人達(あるいはツアーで来ている人達)がいないかなと
探したのだけど、見あたらないので、下山することにした。
下りはのんびりと走っていたのだけど、ものすごい速度で下っていく
人達が今日もたくさんいた。そして下にたどり着くまでに5人くらいが
落車していたし、そのうちの2人はけっこうシリアスな状態だった。
救急車の音も聞こえてきていた。

レースが始まって、一番おどろいたのは選手の先導役のオートバイが
クラクションを鳴らして邪魔な観客をどかすのだけど、いっさいブレー
キをかけないことだった。それくらい怖がらせてないと選手の安全確保
ができないのかもしれないけど、でも驚いた、午前中の落車などもそう
だけど、自己責任っていうのはこういうことなのかなと思う。

個人TTなんて別に見ていて、特に楽しいものではないので、一番ワク
ワクしたのはスタート前に山車風に改造した車がスポンサーグッズを
ばらまく時だった。水玉模様の帽子や緑色の大きな手のスポンジ、グミ
キャンディー、おもちゃなどを西洋人の子供と奪い合った。

最後まで見届けたら、グルノーブル発の電車に乗れなそうなので、ラン
スらトップグループ達のスタートだけ見て、グルノーブル駅へと向かうこと
にした(50kmくらい)、しかし駅へと向かう1本道へ警察が通してくれない。
自転車は規制していないはずなので、警察官の嫌がらせなのだろう。
警察の目を盗んでロープを超えて、選手達のバスの横を過ぎてまたロ
ープを超えて道へ出た。

50kmで猶予時間は4時間以上あったので、全く問題ないはずだったのだけ
ど、川沿いのすばらしい景色のゆるい下りを走り、都心部に出たところ
で雨が降ってきて、そしてそこで
前後同時パンク&チューブの噛み込みパンク
に、1km後にまた釘を
踏んでのパンクで替えチューブが無くなってしまった。高速道路の側道
みたいなところで、タクシーも見つからないので、けっこう途方にくれて
いたのだけど、自転車押して下道に出てみたところに、スポーツ用品
チェーンの「DECATHLON」があった。そこでチューブを買って、空気を
入れてもらい駅まで再スタートした、雨は上がっていた。その時以来、
私はDECATHLONがスポンサードしているAG2rを応援している(自転車
にもDECATHLONって入っていた、現在はB'twinという名前に変わった。)


グルノーブル駅で「アン クロワッソン?」と怪しげな発音でパンを
買い、なぜか自動発券機でクレジットカードが通らなくて、通りがか
った人に買ってもらって現金で支払う、なんていう「旅」っぽいこと
もした。ホームでは東京から来てたという男性2人組の人と話をした。
とても疲れていたので輪行袋にも入れずにそのまま電車に自転車をつ
っこんで、駅(シャンベリー)からホテルまでの坂道をゆっくり自転車
をこいだ。ホテルの部屋へもそのまま自転車を持ち込んで、そのまま
ベッドに倒れこんで寝た。翌朝、ホテルの中庭で朝食を食べていると
オートバイ愛好家達がたくさん集まってきていてた。ラルプデュエズで
はないけど、そこからも見えるアルプスの山へと向かうみたいだった。

イタリアに向かうTGVはなぜだか私たちの席が無くて、車両間の補助
椅子に座った。途中、何度もイタリア人のおばさんがやってきて彼女に
話しかけていたが、私にはやっぱりちんぷんかんぷんだった。
昨年はラルプデュエズはコースから外れてしまったけど、今年はまた
復活し、そしてマイヨジョーヌをかけたレースを大阪で彼女と一緒に
「あっ、あそこで写真撮ったよね。」なんて言いながらTVで見ていた。

7月になってまた少し自転車に乗る時間も増えた、まだまだ速くなりたい
けどラルプデュエズにもまた行ってみたいなと思う。次回は1時間切り
が目標。彼女も次回はのぼりにも挑戦してもらいたい。

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